【Hulu】HANNIBAL/ハンニバル シーズン1 感想:主人公に肩入れして撃沈。可哀想すぎ!!!
ハンニバルに陶酔できるか
ハンニバル シーズン1を観ました。
物語が後半に行くほど主人公であるウィルが追い詰められていくため、ウィルに肩入れして観ていた自分はつらかった。ウィルとハンニバルの攻防というより、どんどんハンニバルにやられていくウィル。
一番共感している主人公がやられてばっかりで、前進どころか後退していくような図式なのに、つらいと思いながらも観ていられたのはハンニバルというキャラの強さかと思います。絶対的なキャラが無双していればそっちの方は前進しているのでついていけるということなのかな。ハンニバルにひたすら陶酔する感じで見ていれば沈んだ心持ちもしなかったのかな?
ハンニバルへの陶酔が成立するのって、例えば、ハンニバルと対する人物が彼と似た殺人鬼(8話で出てきたような)だったり、下劣だったり醜い振る舞いをしていたり・・・ちょっと嫌悪感を覚えるなっていうときに、「博士、やっちまってください」みたいな気分になり、それが達成されるとカタルシスがある、っていう流れとか(料理のシーンもいいですね)だと思うんですがウィルは別に良い人間じゃない??
だからハンニバルがウィルを陥れていく様を見てるとただの弱い物いじめに見えてきて、陶酔どころか反発してしまう自分がいたのでした。
登場人物別 印象に残ったシーン・感想メモ
ウィル・グレアム
- 後半になればなるほどひたすらに可哀想・・・
- 毎晩悪夢にうなされて安眠できなくて可哀想
レッド・ドラゴンのグレアムよりも”能力”の描写が克明で、「こんなものを毎回見ていたらそりゃ精神的なストレスに苛まれるわ」と思います。シーズン1ではハンニバルに対しては防戦一方だったのでシーズン2では盛り返して欲しい。そして安眠してほしい。
ハンニバル・レクター
マッツ・ミケルセンを見ているとどうしても口元と頬骨の位置を眺めてしまいます・・・それはそうとして、最初にインパクトがあったシーンはシーズン序盤で出てきた人の肺を調理しているシーンですね。 包丁を入れる前に体重をかけて押しつぶしているあたりのあの、”圧倒的手慣れている感”。よっぽど反響があったのか(妄想)数話後に肺の調理シーンが再登場しています。料理周りで言えばレシピのカードと人の名刺がセットで管理させているシーンとかもインパクトありました。
他には8話でハンニバルが興味を持った殺人鬼(オーケストラ楽団員を殺し遺体を弦楽器のように仕立てた。また日常的に殺人を犯し人間の腸で楽器の弦を作っている)を食事に呼び対峙するシーン。お互いに”相手を殺そうと思っていた”と手の内をみせたり背中を向けたりするシーンでいちいちヒヤヒヤ。
ただ後半はウィルいじめが加速(ウィル寄り視聴者)して、ウィルを友人だとかいいながら情報を巧みに隠し、偽り、特にウィルが脳の検査のために書いた時計の図を別のもの(しかもご丁寧にウィル・グレアムのサイン入り)にすり替えていたりした時には「お局OLの嫌がらせか!しょっぱいことすんなや!(ウィル寄り視聴者)」と怒りが勝っちゃいましたけどね!
ジャック・クロフォード
ウィルが「ストレスやばいんだ」と訴えているにも関わらず余裕ぶっこいた表情に苛立ち(ウィル寄り)。シーズン2ではウィルを助けて欲しい・・・
フレディ・ラウンズ
レッド・ドラゴンでは男性の新聞記者でしたが、こちらではおしゃれな女性のネット記者。しかしながら現場に勝手に上がり込んだりグレアムに挑戦的な内容の記事を書いたりと超ウザい系ネット記者として登場します。あまりに腹立たしい登場っぷりだった第2話、ハンニバルと2人でのやりとり、ハンニバルの「どうしたものかな」というセリフで「この後彼女はハンニバルに殺されるんじゃいか?」とかなりの人が期待したに違いない。そんな視聴者心理をもてあそぶかのように次の瞬間料理のカット(”彼女”ではない)が映されます 笑
序盤のうざさがよっぽど評判悪かったのか(妄想)後半ではちょっとなりをひそめ、アビゲイルの事件の核心をつきそうになったり、事件に巻き込まれてもパニクらなかったりちょっと一目置ける動きをしていました。
やっと反転攻勢?の最終話
最終話で気になったところ
- ウィルはハンニバルに対して、「あなたの犯行には動機がなかったから感じ取れなかったんだ」と言うシーンがあるのですが、ウィルのあの強力な再現能力なら、「ただウィルがどういう行動をとるか観察したかった(ウィル説明)」というハンニバルの”動機”を読み取れなかったのがちょっと謎。
- ハンニバルが患者として関わっている女性の精神科医と最後に食べていた”子牛”ってアビゲイルなのだろうか
- アビゲイルの遺体は?
繰り返しになりますが思いっきりウィル目線で見ていたため、主人公に前進がないシーズン1の構成はなかなかしんどかったです。演出的にも、ウィルの見ているものが現実なのか幻なのかすぐにはわからないシーンが増えますし、周りの人も自分(ウィル)を現実と妄想の判断がつかなくなっているというふうに見てきます。
シーズン1で終わる作品なら話数が半分にきた辺りでウィルがハンニバルの本性に気づき反転攻勢・・・といった展開があったかもしれないですが、本性に気づいたウィルがハンニバルと対峙するのはシーズン1の最後です。
塀の中のウィルと本性をあらわしたハンニバルがにらみ合うシーン、ウィルがおかれている状況は最も不利なわけですが、戦う意志のあるウィルのまなざしを観てやっと「ああこれからだ」とホッとしました。シーズン2でウィルがどうやって立場を逆転していくのか・できるのかが楽しみです。